採択はどうやら狭き門になった模様
中小企業の生産性向上を掲げたIT導入補助金2019の2次公募の採択結果の発表が2019年9月6日(金)にありました。
1次はA型(補助額上限150万円未満)が3,756件、B型(補助額上限450万円)で442件でしたが、今回の2次はA型が2,951件、B型が237件と、A型が前回の8割、B型が5割程度となりました。
「IT導入支援事業者(ベンダ)」及び提供する「ITツール」が1次の時よりもルール変更の全貌が見え、増加したことを考えると、前回5割くらいと言われていた採択率も、2〜3割の狭き門になったことが推測されます。
今年度は予算消化で無事(?)終了!
3次の募集はアナウンスされていないので今年は100億円の予算を使い切ってこれで打ち止めと思われます(PayPayのキャンペーンみたいな話になっていますが)。
1次で予算の半分くらいを消化したのではと踏んでいましtが、2次の採択件数を見るともう少し1次の時点での消化率は高かったと伺えます。
補助額がA型で平均90万円、B型で限度額の450万円で計算すると大体辻褄が合う計算になり、申請方法(経営診断ツールと付加価値産出計画)と審査期間を考えると設備投資が大きい順に採択した?なんて穿った見方もしたくなります。
まあ昨年度のIT導入補助金2018が都合9回募集して、採択率9割以上、しかも予算大分余ってしまうという体たらくだったので、補助金の体裁としてはある程度面目が保たれた、ということなのでしょう。
(それでも金融庁、会計監査院的には「ふざけるな!」という感じなのでしょうが)
都道府県別採択結果
当サイトでは恒例の都道府県別採択結果もまとめてみました。
A型B型ともに東京都、大阪府、愛知県、福岡県、兵庫県、神奈川県の6都府県が安定のトップランカーです。
東京・大阪・福岡はともかく、愛知、兵庫、神奈川もITに関心が高いエリアなのでしょうか。
また下位を見ると2018同様島根・鳥取が安定(失礼)なのですが(ベンダが少ないのでしょうか)、B型の0件地域には普段中位の新潟・沖縄などが入っているので、また穿った見方をしてしまいそうです。
A型 | B型 | |
---|---|---|
北海道 | 78 | 6 |
青森県 | 26 | 0 |
岩手県 | 27 | 0 |
宮城県 | 45 | 3 |
秋田県 | 19 | 4 |
山形県 | 27 | 1 |
福島県 | 40 | 2 |
茨城県 | 70 | 3 |
栃木県 | 47 | 7 |
群馬県 | 54 | 7 |
埼玉県 | 94 | 7 |
千葉県 | 73 | 9 |
東京都 | 338 | 44 |
神奈川県 | 152 | 10 |
新潟県 | 50 | 0 |
富山県 | 31 | 3 |
石川県 | 53 | 4 |
福井県 | 31 | 1 |
山梨県 | 16 | 1 |
長野県 | 57 | 3 |
岐阜県 | 59 | 2 |
静岡県 | 75 | 4 |
愛知県 | 188 | 19 |
三重県 | 47 | 4 |
滋賀県 | 39 | 2 |
京都府 | 77 | 4 |
大阪府 | 250 | 29 |
兵庫県 | 113 | 11 |
奈良県 | 32 | 1 |
和歌山県 | 18 | 1 |
鳥取県 | 17 | 0 |
島根県 | 16 | 0 |
岡山県 | 79 | 2 |
広島県 | 72 | 4 |
山口県 | 34 | 1 |
徳島県 | 12 | 0 |
香川県 | 28 | 1 |
愛媛県 | 49 | 0 |
高知県 | 16 | 3 |
福岡県 | 110 | 17 |
佐賀県 | 33 | 0 |
長崎県 | 43 | 6 |
熊本県 | 88 | 5 |
大分県 | 41 | 2 |
宮崎県 | 27 | 2 |
鹿児島県 | 41 | 2 |
沖縄県 | 19 | 0 |
同様の取り組みは続く、のか?
経済産業省の令和2年度予算の概算請求、中小企業関連施策で「共創型サービスIT連携支援事業」というものが謳われています。
中小サービス業等の分野で、ITベンダーと中小企業等が共同で既存のITツールの組み合わせ等を行い、当該ITツールの汎用化による業種内・他地域への横展開を目指す取組を支援する。
出典:経済産業省「令和2年度 地域・中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイント」(PDF)
とりあえずベストプラクティス(と思われる)パッケージを入れて生産性向上しなさい!という向きはまだ続きそうです。
ただ規模が20億で、まだ概算請求なのでどうなるのかはさっぱりわからず、補正予算も含め、引き続き動向を伺ってゆきたいと思います。